オブジェクト指向プログラミング演習課題 🚀

この演習では、学んだオブジェクト指向の考え方を使って、3つの簡単なCUIゲームを順番に作成していきます。 それぞれのゲームを作ることで、クラス、インスタンス、属性、メソッドといった基本的な概念から、少しずつステップアップしていきましょう！

演習1：じゃんけんゲーム ✊✌️✋

目的：

• クラスとインスタンスの基本的な作り方を学ぶ。
• 簡単なメソッドの定義と呼び出しを体験する。
• プレイヤーとコンピュータの対戦ロジックを考える。

作るもの： プレイヤーが手（グー、チョキ、パー）を選び、コンピュータもランダムに手を出して勝敗を判定するCUIゲームです。

実行イメージ：

じゃんけんゲームを開始します！
あなたの手を選んでください (1:グー, 2:チョキ, 3:パー): > 1

あなた: グー
コンピュータ: パー

残念、あなたの負けです！

もう一度プレイしますか？ (y/n): > n
ゲームを終了します。

実装ステップのヒント：

1. Player クラスを考えてみよう！
   • 属性案:
     • name: プレイヤーの名前 (例: "あなた")
     • hand: プレイヤーが出した手 (例: 1, 2, 3 など数字で管理すると便利)
   • メソッド案:
     • __init__(self, name): 名前を受け取って初期化する。
     • choose_hand(self): プレイヤーに入力を促し、self.hand に選択した手を設定する。
2. ComputerPlayer クラスを考えてみよう！ (Playerクラスを継承すると楽かも？)
   • 属性案: Playerクラスと同じものを持たせられる。
   • メソッド案:
     • __init__(self, name="コンピュータ"): 名前は固定で良いでしょう。
     • choose_hand(self): ランダムに手を選び self.hand に設定する (random.randint(1, 3) など)。
3. Game クラスを考えてみよう！
   • ゲーム全体を管理するクラスです。
   • 属性案:
     • player: Player クラスのインスタンス。
     • computer: ComputerPlayer クラスのインスタンス。
     • hand_map: 手の数字と文字列（"グー"など）を対応させる辞書 (例: {1: "グー", ...})
   • メソッド案:
     • __init__(self): player と computer のインスタンスを作成する。
     • display_hands(self): 両者の手を見やすく表示する。
     • judge_winner(self): player.hand と computer.hand を比較して勝敗を判定し、結果 (例: 0:あいこ, 1:プレイヤー勝ち, 2:コンピュータ勝ち) を返す。
     • play_round(self): 1回のじゃんけんを実行する (手の選択、表示、勝敗判定、結果表示)。
     • start(self): ゲームを開始し、play_round を繰り返し実行するループを持つ。
4. 勝敗判定のロジックを考えよう。
   • judge_winner メソッドの中で、if文を使って条件分岐します。
5. ゲーム全体の流れ（if __name__ == "__main__": の中身のイメージ）：

   # game = Game()  # Gameオブジェクトを作成
   # game.start()   # ゲームを開始
   

演習2：サイコロゲーム 🎲

目的：

• 複数の小さなクラスを連携させる方法を学ぶ。
• オブジェクトが他のオブジェクトを利用する形を体験する。

作るもの： プレイヤーとコンピュータがそれぞれサイコロを振り、出た目の大きさで勝敗を決めるシンプルなゲームです。

実行イメージ：

サイコロゲーム！

--- ラウンド 1 ---
あなた がサイコロを振ります... 出た目は 4 です。
コンピュータ がサイコロを振ります... 出た目は 2 です。
あなたの勝ちです！

現在のスコア: あなた 1 - 0 コンピュータ

続けますか？ (y/n): y

実装ステップのヒント：

1. Die (サイコロ) クラスを作ろう！
   • 属性案:
     • sides: サイコロの面の数 (デフォルトは6)
   • メソッド案:
     • __init__(self, sides=6): 面の数を設定する。
     • roll(self): 1から self.sides までのランダムな整数を返す (random.randint(1, self.sides))。
2. Player クラスを考えよう！
   • 属性案:
     • name: プレイヤーの名前。
     • score: プレイヤーの勝利数。
     • current_roll: 直近で振ったサイコロの目。
   • メソッド案:
     • __init__(self, name): 名前で初期化、スコアは0。
     • roll_die(self, die_instance): 引数で受け取った Die オブジェクトの roll() メソッドを呼び出し、結果を self.current_roll に保存し、その値を返す。
3. Game クラスを考えよう！
   • 属性案:
     • player1: Player クラスのインスタンス (人間プレイヤー用)。
     • player2: Player クラスのインスタンス (コンピュータプレイヤー用)。
     • die: Die クラスのインスタンス (ゲームで使うサイコロ)。
   • メソッド案:
     • __init__(self): player1, player2, die のインスタンスを作成する。
     • play_round(self):
       1. player1 と player2 がそれぞれ die を使ってサイコロを振る (roll_die メソッドを呼び出す)。
       2. 出た目を比較して勝敗を判定し、勝者のスコアを増やす。
       3. 結果を表示する。
     • show_scores(self): 現在のスコアを表示する。
     • start(self): ゲームを開始し、play_round と show_scores を繰り返し実行するループを持つ。
4. ゲーム全体の流れ（if __name__ == "__main__": の中身のイメージ）：

   # game = Game()  # Gameオブジェクトを作成
   # game.start()   # ゲームを開始
   

演習3：テキストベースRPG風バトル ⚔️

目的：

• クラスの継承とメソッドのオーバーライドを体験する。
• より複雑なオブジェクト間の相互作用を実装する。
• カプセル化の考え方を少し意識してみる。

作るもの： プレイヤーキャラクターとモンスターが交互に攻撃しあい、どちらかのHPが0になるまで戦うCUIバトルゲームです。

実行イメージ：

--- バトル開始！ ---
[勇者 アベル HP: 100/100] vs [スライム HP: 30/30]

勇者 アベルのターン:
1: こうげき
コマンド？ > 1

勇者 アベルのこうげき！
スライムに 15 のダメージ！
[スライム HP: 15/30]

スライムのターン:
スライムのこうげき！
勇者 アベルに 8 のダメージ！
[勇者 アベル HP: 92/100]

... (戦闘継続) ...

スライムをたおした！

実装ステップのヒント：

1. Character (キャラクター) という親クラスを作ろう！
   • 属性案:
     • name: キャラクターの名前。
     • max_hp: 最大HP。
     • hp: 現在のHP。
     • attack_power: 攻撃力。
     • is_defeated: 倒されたかどうかのフラグ (True/False)。
   • メソッド案:
     • __init__(self, name, hp, attack_power): 各属性を初期化。is_defeated は False に。
     • attack(self, target): target (別の Character オブジェクト) に攻撃する。ダメージ計算 (例: random.randint(self.attack_power // 2, self.attack_power)) を行い、target の take_damage メソッドを呼び出す。攻撃前に自分や相手が倒れていないか確認すると良い。
     • take_damage(self, damage): damage を受けて self.hp を減らす。HPが0以下になったら self.hp = 0 とし、self.is_defeated = True にする。HPが0未満にならないように注意（カプセル化の初歩）。
     • show_status(self): 現在のHPなどを表示する。
2. Hero (勇者) クラスを作ろう！ (Character クラスを継承)
   • 属性案:
     • (親クラスの属性に加えて) mp: 魔法ポイント。
     • magic_power: 魔法攻撃力。
   • メソッド案:
     • __init__(self, name, hp, attack_power, mp, magic_power): 親クラスの __init__ を super().__init__(name, hp, attack_power) で呼び出し、追加で mp と magic_power を初期化。
     • cast_spell(self, target): 勇者独自の魔法攻撃。MPを消費し、magic_power に基づいたダメージを target に与える。MPが足りない場合の処理も考える。
     • attack(self, target) (任意でオーバーライド): 親の attack とは少し違う攻撃メッセージにしたり、効果を変えたりできる。super().attack(target) で親の処理を呼び出すことも可能。
3. Monster (モンスター) クラスを作ろう！ (Character クラスを継承)
   • 属性案:
     • (親クラスの属性に加えて) special_attack_name: 特殊攻撃の名前。
   • メソッド案:
     • __init__(self, name, hp, attack_power, special_attack_name): 親クラスの __init__ を呼び出し、special_attack_name を初期化。
     • special_attack(self, target): モンスター独自の特殊攻撃。通常の attack より強力なダメージを与えたり、追加効果があったりするかもしれない。
4. バトルを進行するメインの処理（関数または Game クラスのメソッドとして）を書こう！
   • Hero と Monster のインスタンスを作成する。
   • どちらかの is_defeated が True になるまでループする。
   • ループの中で、プレイヤーのターンとモンスターのターンを交互に実行する。
     • プレイヤーのターン: コマンド入力を受け付け、Hero の attack や cast_spell を呼び出す。
     • モンスターのターン: Monster の attack や special_attack を呼び出す。
   • 各ターン終了後にキャラクターのステータスを表示すると分かりやすい。
5. ゲーム全体の流れ（if __name__ == "__main__": の中身のイメージ）：

   # hero = Hero("勇者", 100, 15, 50, 20)
   # monster = Monster("スライム", 30, 8, "体当たり")
   
   # # バトルループを実行する関数を呼び出す (例)
   # def battle(player_char, enemy_char):
   #     # ... (上記4のメイン処理) ...
   #     pass
   # battle(hero, monster)
   

まずは演習1から挑戦してみましょう！行き詰まったら、スライド資料を見返したり、少しずつ動かしながら確認したりするのがおすすめです。頑張ってください！